ロンドン(CNN) フェースブックが先週発表した機能のひとつ「Like(いいね)」ボタンは、ハイテク業界に衝撃を与えた。
この「Like」ボタンをウェブページに導入すると、ボタンを押したユーザーのフェースブックのページにそのサイトの更新情報が掲載される。ボタンを導入したサイト側は、フェースブックを介して自分たちのサイトへのトラフィックを増やすことができる。
フェースブックは、このLikeボタンを「ソーシャルリンク」として発表した。特定のユーザーに関連している点で通常のリンクよりも優れているというわけだ。しかし、このLikeボタンの普及はグーグルにとっては不利な状況だ。というのも、グーグルのアルゴリズムは、サイト間のリンクをもとに検索結果の順番を決めているからだ。
フェースブックは、ウェブページ間のリンクのオープンな仕組みに代わり、同社が管理する「ソーシャルリンク(Like)」を普及させようとしている。グーグルなどの検索エンジンはこれらにはアクセスできないため、ウェブをランク付けするうえでフェースブックが最も有利な位置に立つことになる。当然、「オープンウェブ」の支持者らは、1社の企業がすべての個人情報や嗜好を蓄積することになると警鐘を鳴らしている。
しかし、事はフェースブックの思惑通りに進んでいる。発表からわずか1週間で、5万ものサイトがフェースブックの「Like」ボタンを導入したのだ。これにより、フェースブックはウェブを体系化しやすくなる。
従来、グーグルの検索結果の最初のページに載ることが、そのサイトの価値の証明だった。そのため、サイトをグーグルの基準に適合させるためのアドバイスを行うサーチエンジン最適化(SEO)は一大産業となった。しかし、今後はフェースブック向けの最適化がSEOにとってかわるかもしれない。
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