ゲームの違法ダウンロードによる、PSP「ディシディア ファイナルファンタジー」の被害総額は300億円を超える。社団法人コンピュータエンターテインメント協会は今月、こんな研究結果を発表した。報告書は任天堂などの協力を得た「違法複製ゲームソフトの使用実態調査」(東京大学大学院情報学環、馬場研究室)。
これによると、2004年~2009年の6年間で、国内のDSとPSP用ゲームソフトの違法ダウンロードによる国内被害額は約9540億円。世界での被害額を推計すると、約3兆8160億円に上る。
調査では違法ダウンロードサイト114サイトを発見。ダウンロードカウンターが設置されている25サイトではダウンロード数をカウントし、カウンターが設置されていないサイトでも同じ割合でダウンロードが行われていると仮定して被害数を算出。該当するゲームソフトの国内販売価格を掛けて、被害額とした。
また、1997年頃から出現した違法ダウンロードサイトは2003年頃から急速に増加し、特にDSとPSPの発売が始まった2005年以降に目立っていることを指摘。2009年に新たに設置された違法ダウンロードサイトは全体の約12%を占める13サイトだった。
違法サイトへのアクセス数が高いのは、1位から順にアメリカ(264点)、日本(197点)、中国(120点)。これは、違法な114サイトのうち解析可能な104サイトからダウンロードを行っている国を、それぞれ第1位「5点」~第5位「1点」としてカウントしたもの。4位以降は台湾(86 点)、メキシコ(67点)、タイ(62点)と続く。
DS用のゲームソフトで被害額が最も大きかったのは「ポケットモンスター プラチナ」(ポケモン)の約94億6000万円。「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」(スクウェア・エニックス)の約88億3000万円、「ポケットモンスター ダイヤモンド」(ポケモン)の約85億1000万円が続く。
PSP用ゲームソフトでは、「ディシディア ファイナルファンタジー」(スクウェア・エニックス)の被害額が一番大きく、約306億円。「ファンタシースターポータブル2」(セガ)の約224億円、「真・三國無双 MULTI RAID」(コーエーテクモゲームス)の約99億円が続く。
カウントできなかったものも含めると実際の被害総額は調査をはるかに上回ると要され、同調査では「予想以上に深刻な状態であることを示しており、早急な対策が望まれる」と指摘。「正規版の普及と違法複製ゲームソフトの取り締まり」という2つの側面から対策を取るべきだとしている。
今年1月の改正著作権法施行により、音楽や映像を違法ファイルと知りながらダウンロードする行為が違法となった(刑事処罰は行われないが、民事裁判となる場合がある)。ゲームの違法ダウンロードにも対策が取られるか。ゲーム大国として、行政と関連企業、双方に対応が求められている。
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